2019-01-19 UPDATE
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12月28日公開、現在上映中の映画です 筋ジストロフィーを患いながらも在宅生活を続ける鹿野。鹿野に反発しながらも後に最大の理解者になる美咲。その恋人で医師としての将来や美咲との関係に微妙に悩む医大生田中。この3人を軸に物語は進みます。
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病気ものでありながらも、鹿野と関わる日々の様子を通して、それぞれが自分の目標や夢を明確にしていく物語。
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キャストと脚本によって、湿っぽくなく、時にユーモアさえ交えながら、それでも障害者の在宅生活への課題は真摯に突きつけてきます。
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“迷惑をかける”がこの映画のキーセンテンス。【できることよりできないことの方が多い】、【誰かを頼ることを恐れない】ということを強くメッセージとして伝えてくるのです。
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何でもかんでも“自己責任”、他人のことを受け入れることのできない“不寛容”が巷に溢れ、他人に頼んだり迷惑をかけずに生きていきたいと頑張り過ぎているのではないでしょうか。
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人は生きている以上、誰かに迷惑をかけている。けど、相手ときちんと信頼関係が築けているのなら、それは助けているだけであって、相手も自分も迷惑だなんて意識はないと思います。
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このメッセージにデジャブがあります。そして私の人生を決めた一言です。2枚目の写真。1979年放送のNHK土曜ドラマ『男たちの旅路第4部第3話“車輪の一歩”』
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脊髄損傷で車椅子生活の主人公が“他人に迷惑をかけるのを恐れて”外出をためらっている。当時はバリアフリーなんて言葉もなかった時代。ひょんなことで関わった警備会社職員が「君たちは特別な人生を生きている。迷惑をかけることを恐れなくていい」と語りかけるのです。
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そして彼女は、ある朝ついに駅に行き「誰か私を(階段の上に)上げてください」と初めは消え入るような声で、そして段々と大きく、同じ車椅子生活の友人たちの見守る中、助けを求めることができたのだった。
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私は当時高校2年生。進路を考える頃でした。このドラマに強く影響を受け、福祉大学に進みそして福祉の仕事に就き今も続けているのです。
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鹿野を演じた俳優の大泉洋さんは障害者週間の講演会で「子供には“人に迷惑をかけるんじゃない”と、今まで教えることがありましたが、人に迷惑をかけることを恐れるよりも、自分でできないことがあれば助けを求める。そして逆に助けを、求められた時には助ける。それが大事なんだと思いました」と語られたそうです。
頼る勇気を持つこと。と同時に、それに応える優しさや心の余裕を持つことが、人との関係に変化を与えてくれるかもしれないとも。
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頼る勇気を持つこと、それに応える優しさを持つこと、『こんな夜更けにバナナかよ』は、この心の機微を描いて、それぞれが“自己肯定感”を見つけ出す物語でもあったとも思います。
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嫌なキャラクターは出てきません。映像も綺麗、北海道ロケ、後味爽やかな作品です。お薦めします。それと時間があれば一度『車輪の一歩』も観てください。90分CMなしの長いドラマですが、ユーチューブには【趣旨部分】という投稿もあります。今観ても素晴らしいドラマです。
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